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雑多

クトゥルフ神話TRPG「灰になってよかった」リプレイ②

f:id:shouco08:20210930210034j:plain

クトゥルフ神話TRPG灰になってよかった」(作:遮光様)

KP:夏村
PL:ぶきさん

 

テキストセッションのログを整形したものです。
読みやすさを重視し、ステータス変化の処理結果は省いています。
また、シークレットダイスはあえてシークレットダイスのままにしています。(終盤、一部のシークレットダイスは分かりやすいように公開しています。)
今回は半テキストセッション形式で行ったため、PL会話はほぼ全て省略しています。

 

この先は、シナリオやエンドの重大なネタバレが多分に含まれますので、以下に当てはまる方は閲覧をご遠慮ください。

  • シナリオ未通過
  • シナリオ通過予定
  • シナリオ通過中
     

 

 

 

 

ざっくり目次

 

 

 

 

〇PC・KPC

f:id:shouco08:20211016064652p:plain

PC:和山 深雪(わやま みゆき)  作画:ぶきさん
※許可を頂いて掲載しています。なお、画像の無断転載等は固く禁じます※

 

≪ステータス≫
STR:4|CON:8|POW:13|DEX:15
APP:17|SIZ:11|INT:13|EDU:9

HP:10|SAN:65|MP:13
イデア:65|幸運:65|知識:45

 

≪技能≫
隠れる:80|図書館:70|目星:70
医学:40|芸術(陶芸):46|心理学:85|薬学:40

 

 

 

 

 

f:id:shouco08:20211016065548p:plain

KPC:暁己 游宕(さとみ ゆうご)  作画:夏村
※画像の無断転載等は固く禁じます※

 

≪ステータス・技能≫
スタート時非公開。

 

 

 

 

 

 

KP :

八月のある日、男が一人、行方不明になった。
むろん、人間の失踪は、それほど珍しいことではない。統計のうえでも、年間数百件からの失踪届が出されるという。しかも、発見される率は、意外にすくないのだ。
ひとが消えるとさまざまの憶測が飛び交う。誘拐、殺人、秘密の男女関係、厭世自殺……しかし、そのような推理も、手がかりや死体がなければ問題にはならないのであった。
そうして、誰にもほんとうの理由がわからないまま、七年たち、民法第三十条によって、けっきょく死亡の認定をうけることになったのである。
安部公房著『砂の女』より一部抜粋)

 

KP :

Call of Cthulhu 6th

 

灰になってよかった

 

作:遮光

KP : 

〇壱

 

 あるいは透明な散弾の中にいるようであった。傘の布地に当たった雨が弾けるたび、薄いドームの中で反響している。すっかり失せた蝉の声の代わりとでもいうようにしてひどい雨音が貴方の全身を、頭から爪先までもを、すっかり覆っていた。

 すれ違うひとびとは生ぬるい空気に顔を顰め、踏んでは跳ねる雨水を煩わしげに、歩調を早める。

 そうして貴方も。貴方が雨をどう思うかは貴方次第であるが、爪先からじわりと雨水が染みてゆく感覚はどうしたって気持ちの良いものではないだろう。

KP :  貴方はなにかから逃れたかった。自身の過去や仕事、創作。そういったなにがしかから。それらはまるで影のようにして貴方を追うのだから、逃れる、なんてことはまったくもって容易ではなかったが。

KP :  目的地に向かって歩く。歩く。歩く。雨粒の乗ったスマホを見つめるひと。すれ違う。歩く。歩く。水たまりを踏み抜く。 傘のせいで微妙な空間の生まれたカップル。すれ違う。歩く。傘で表情が見えないひとびと。その合間を縫って歩く。傘の海を泳ぐ。見知らぬひとあるいは見知っていても判別のつかないひとびと。すれ違おうとして、気付く。

 

 

KP :  腕を掴まれていた。

 

 

KP :  視線をやれば、やけに白い肌が見えた。陶器のように温度のなさそうな手のひらはしかし、 体温でぬるまった雨を貴方にべったりとつけていて、それがやけに不快だった。

KP :  貴方が振り払おうと、声をかけようと、あるいは誰かに助けを求めようとするかもしれない。しかし彼はあまりにも当然のように貴方の腕を引き、歩を進めてゆく。離されるとも考えていないのか、力は込められていない。気安い友人、あるいは家族がそうするようにして、彼は貴方を先導した。

和山 深雪 : 自分の肘を強く引きます。

: 「……ん? どうしましたか?」

和山 深雪 : 「どなたですか?」

: 「そうですねぇ……。自己紹介は家に着いてからでもいいでしょうか? あまり見られてしまうと、誘拐だってバレてしまうかもしれませんから」
: 「今は、よくいるような、しがない誘拐犯ということで」

和山 深雪 : 恐怖で目を伏せます。

: 「ふふ、怖がらなくていいんですよ。貴方は私に着いてきてさえくれればいいんですから」

 

KP : 

〇弐

KP :  貴方が腕を引かれるままついて行けば、彼はタクシーを呼び止めてさっさと乗り込んでしまう。たたまれた傘からは際限なく水が滴り、やや硬くなったマットにしみこんでいった。

和山 深雪 : ためらいつつも乗ります。

KP : 窓から差し込む光の薄い車内は薄暗く、また蒸れた雨独特の匂いで満ちていた。
男が無愛想な運転手とひとことふたこと交わした後、エンジン音をたててタクシーは発進する。
窓の外からは目まぐるしく変わる風景が見えたが、張り付いた雨粒のせいで輪郭は曖昧に滲んでしまっていた。
車内に会話はなく、微妙な沈黙と退屈なカーラジオとで満たされている。しばらく単調で閉塞的な空間に押し込められていれば、歪んだ窓ガラス越しでも雰囲気が変わったのがわかるだろう。

KP : 霧が立ち込め、それは徐々に範囲と濃度を深くしてゆく。

KP : それに頭からのみ込まれてゆけば、どこか鬱屈とした様子の黒々とした木々がそこかしこから生えはじめ、疎らに存在していた傘もついには見えなくなった。

KP : タクシーは小さな山の麓で止められ、そうしてそこでようやく声がかけられる。

: 「降りましょうか」

KP : シークレットダイス(心理学)
KP : あなたは、彼には敵意がないと感じます。

和山 深雪 : おります。

KP : 従うのであれば、雨のそれとはまた違う、霧独特の細かくなめらかな水気が貴方を包んだ。
運転手は代金を受け取るとタクシーとともにそそくさと濃霧の中へと消えてゆき、切れ掛けていたヘッドライトも、ついには際限のない白に包まれて見えなくなってしまった。

KP : 貴方たちがぽつんと取り残されたそこは霧のせいでか見通しが効かず、どこかぼんやりとした印象を与える。
あたりに民家はなく、あぜ道とくさむらが揺れているのみだ。どこからか鈴虫とカエルの鳴き声が聞こえていた。

KP : ▽探索可能箇所
  ・周囲一帯
  ・看板
  ・あぜ道

KP : そのほかしたいことがあれば提案してください。

和山 深雪 : 一帯を見回す。

KP : ◇周囲一帯
   勢いはやや増し、粒の大きな雨がしたたかに傘の肌に打ち付けている。
   〈ナビゲート〉〈 知識 1/2 〉

和山 深雪 : CCB<=45/2 【知識】 (1D100<=22) > 9 > 成功

KP : ○○県(探索者の住む県)のはずれにある山だとわかる。

和山 深雪 : ちょっと安心します。看板を見ます。

KP : ◇あぜ道
   雨を浴びてつやつやとしたカエルが数匹通ってゆくのが一瞬見えた。
   〈アイデア〉〈目星1/2〉

和山 深雪 : CCB<=65 【アイデア(1D100<=65) > 52 > 成功

KP : 何匹かいた蛙のうちに、奇形のものが混じっていたことに気が付く。
ねじれた腕、巨大すぎる眼球、ぐっと深く曲がった背中。異様な生き物は然し、なんら変化のない『普通』の蛙に、さも当然のように混ざっていた。
【SANc1/1d3】

和山 深雪 : CCB<=65 【SAN値チェック】 (1D100<=65) > 74 > 失敗
和山 深雪 : 1d3 (1D3) > 3

: 「わびしいところですが、そこは我慢してくださいね」
: 「あまり長居をしても面白いところではないでしょうし。行きましょうか。少し歩きますよ」

KP : それだけ言うと彼はくるりと踵を返し、不安定な畦道を進む。依然止まない雨を吸って重たくなった泥が跳ねてズボンの裾を汚したが、気にした様子も見せない。そのままなにかに急き立てられるようにして山へと入ってしまった。

和山 深雪 : 小走りでついていきます。
和山 深雪 : 目を合わせません。

 

 

 

KP :

〇参

 

 鬱蒼とした木々の隙間を抜け、なかば獣道といった部分を進む。ぬかるんでいるせいもあるのか、足場はお世辞にも安定しているとは言い難い。
 しかし彼は気にした様子もなく、慣れた足取りで先へ進んでゆく。傘はもはや意味を成しておらず、貴方も彼もほとんどぬれねずみの様相だ。なまあたたかく張り付く衣服が気持ち悪い。濡れた地面を踏みしめ続けていた靴もすっかりと水を吸っており、足をおろすたびにぐちゃりと嫌な音を立てる。濡れた木の濃くむせかえるような匂いが鼻にこびりつきそうであった。

KP :  しばらく歩き続けていれば、ふと光を感じた。
 そうして気が付く、光が差し込んだのではなく、拓けた場所に出ただけなのだと。整備されているのだろうか、このあたりにはほとんど木はなかった。
 眩しさにも似た感覚に目を細めれば、そこには古びた日本家屋があった。どことなく煤けた印象を受けるが、なるほど、敷地だけは広大である。
 母屋であろう平屋、小さな離れと控えめな大きさの池。庭は土地だけがある、と言った具合で、雑草一本も生えていないような殺風景さを見せていた。

: 「着きました。こちらです。さあ、どうぞ上がってください。つまらないところですが」
: 「……ああ、濡れてしまっていますね。とりあえず、タオルか何か持ってきましょうか」

KP : 彼はがらりと玄関扉をあける。

中からは微かに畳の匂いがした。彼も自宅に着いてほっとしたのか、先ほどまでのどこか焦燥にも似た表情は消えていた。
そのまま濡れた靴を脱いで揃えると、すたすたと部屋の奥へと進んでゆき、貴方だけがぽつんと取り残される。

切れ掛けの電球がじりりと鳴く音、貴方の呼吸音だけがしんとして冷たい玄関に響いていた。

KP : ▽探索可能箇所
  ・玄関
  ・廊下

和山 深雪 : 玄関

KP : ◇玄関
  やや暗い玄関だ。靴箱と、その上には枯れかけの花の入った花瓶が置かれている。

KP : ≪詳細探索可能箇所:靴箱≫
  ・靴箱
  →何足かの靴、靴箱、非常用であろう蝋燭とマッチが見つかる。
  〈目星/アイデア

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 31 > 成功

KP : 靴のサイズがバラバラである。箱を覗くのであれば女性物の靴が見つかる。

和山 深雪 : 悪意のないタイプの誘拐常習犯なのではないかと思い警戒します。

和山 深雪 : 廊下

KP : ◇廊下
  薄暗い廊下。6部屋あるとわかるだろう。

和山 深雪 : CCB<=80 【隠れる】 (1D100<=80) > 4 > 決定的成功/スペシャ

和山 深雪 : 玄関と廊下の角の壁に沿って立ち、そっと戻ってくるのを待ちます。

KP : そこへ、タオルを持ち、新しい服に着替えた彼が帰ってくる。

: 「あれ? ……ああ、そんなに縮こまらずとも。さあ、これで身体を拭いてください。それから、お風呂を焚いているので、宜しければお先にどうぞ」

和山 深雪 : 「...ありがとうございます」

: 「あとで着替えとバスタオルも置いておきますね。恐らくサイズも合うでしょう」

KP : そう語る彼の、未だ濡れたままの髪からは、珠のような水滴が、ぽたり、ぽたりと不規則なテンポで滑り落ち、着替えた服の首元を濡らしていた。
渡されたタオルを受け取れば、人工的なやわらかさを持った柔軟剤の匂いがする。ようやく今までの陰鬱な香りから逃れられた心地がして、ほっと息が漏れたかもしれない。

和山 深雪 : 「....あなたは?」

: 「ん? 何でしょう」

和山 深雪 : 「あなたは誰ですか?」

: 「家に着いたらお答えすると言いましたからね。私の名前は暁己 游宕(さとみ ゆうご)。貴方を攫った誘拐犯です。……これで良いでしょうか?」

和山 深雪 : 「..........」
和山 深雪 : 「....私を知っているんですか?」

暁己 游宕 : 「いいえ。存じ上げません」

和山 深雪 : 少し安堵します。

和山 深雪 : 「....そうですか」

暁己 游宕 : 「では、質疑応答の続きはお風呂から上がったあとにしましょうか。このままでは貴方の身体が冷えてしまいますしね」

和山 深雪 : 「いえ、私は後で構いません」

暁己 游宕 : 「おや、お優しいんですね。私が先にいただいてしまっても良いんですか?」

和山 深雪 : 「ええ」

暁己 游宕 : 「わかりました。では、お疲れでしょうから、靴でも脱いでそこに腰かけていてください。すぐに戻ります」

和山 深雪 : 言われた通りにします。

KP : そう言うと、彼は再び奥のほうへと姿を消した。
15分ほどすると、湯上りでほのかに頬を上気させた彼が貴方のもとへ戻ってくる。

暁己 游宕 : 「お待たせしました。どうぞ」

和山 深雪 : 「ありがとうございます」

 

 

KP : ◇風呂場

  湯垢や黒カビ等が残っており生活感が垣間見えるが、至って普通の風呂場だ。洗濯機には彼のものであろう泥まみれの服がすでに入っていた。
  じとりとして不愉快な衣服を脱ぎはらい、扉に手をかける。

和山 深雪 : CCB<=(13*4) 【INT×4】 (1D100<=52)> 87 > 失敗

KP : 特に気になることはない。

KP : 扉を開ければ、むっとした濃い何かが貴方の裸体を包んだ。湯気、とは明らかに違う。ましてや霧や雨であるはずもない。ねばついた、どこか不健康な蒸気が立ち込め、それがまさしく貴方の全身を覆う。得体の知れないいきものの舌のような温度でもって、それは貴方のむき出しとなった肌を余すところなく這う。腕、項、耳朶、瞼、無防備な足指の一本一本まで。

KP : じっとりとした液体が背筋を伝う感覚があったが、それが蒸気のいちぶであるのか自身の汗であるのかの判別はつかなかった。そうして、なにかは現れたときとは対照的に、数十秒、あるいは数分とゆっくりと時間をかけ、霧散した。
あとに残るのは、気色の悪い感覚を肌でおぼえた貴方だけである。湯の焚かれたはずの風呂場であるはずなのに、今はどこか薄ら寒く思えるかもしれない。
【SANc0/1】

和山 深雪 : CCB<=62 【SAN値チェック】 (1D100<=62) > 58 > 成功

KP : シークレットダイス

和山 深雪 : CCB<=65 【アイデア(1D100<=65) > 59 > 成功

KP : あなたはなにか焼けつくようなぴりりとした痛みを感じる。

和山 深雪 : 潔癖気味なので黒カビと併せて少し嫌悪感を覚えます。

 

KP : 風呂からあがり、用意されていた浴衣を着る。タオルと同じ柔軟剤の香りがして、知らないその香りが、どうしても他人のものであるということを主張していた。
裸足のままぺたぺたと歩いて居間へと向かうと、気付いた彼が廊下に顔を出して声をかけてくる。

暁己 游宕 : 「ああ、上がりましたか。こちらです。……どうぞかけてください。何か温かいものでも準備しましょうか。緑茶でもコーヒーでもココアでも。大体何でもありますよ。何にしましょう?」

和山 深雪 : 「あなたも飲みますか?」

暁己 游宕 : 「もちろん」

和山 深雪 : 「では、あなたと同じものを」

暁己 游宕 : 「ふふ。ではコーヒーをお持ちしますね。ブラックで良いですか?」

和山 深雪 : 「.........」
和山 深雪 : 「.....はい」
和山 深雪 : (苦手だなあと思います)

暁己 游宕 : 「わかりました。少しお待ちください」

KP : あなたが答えれば彼は一度席を外し、盆にコーヒーと茶菓子を乗せて帰ってくるだろう。
目の前にことりと置かれたカップには、並々とコーヒーが注がれて湯気を立てている。カップと揃いのソーサーには、ミルクと砂糖も添えられていた。

暁己 游宕 : 「どうぞ遠慮なく召し上がってください。……さて、こちらの自己紹介はもう済ませましたね。今度は私が貴方のお名前を伺っても宜しいですか?」

和山 深雪 : 「和山です」

暁己 游宕 : 「おや、下の名前は教えてくださらないんですか?」

和山 深雪 : 「.....深雪です」

暁己 游宕 : 「深雪くんですか。貴方によく似合う素敵なお名前ですね」

和山 深雪 : 「どうも」

和山 深雪 : 「私はどうしてここへ?」

暁己 游宕 : 「貴方が誘拐されたそうだったからです」

和山 深雪 : 「....私が」
和山 深雪 : 「そうなんですね」

暁己 游宕 : 「ええ。断られたら、別にそれでも良かったんですが。来てくださったので、私の勘も捨てたものではなかったということですね」

和山 深雪 : 「そうですか」

和山 深雪 : 「ここはあなたの家ですか?」

暁己 游宕 : 「そうですね。今は私の家です」

和山 深雪 : 「...今は?」

暁己 游宕 : 「所有者は私ではないので。大家さんがいらっしゃるんですよ。私はここをお借りしてるんです。家賃も安いし良いですよ。ひともほとんど来ませんし、静かですし、良いことずくめです」

和山 深雪 : 「あなた以外も誰かいるのですか」

暁己 游宕 : 「いいえ、私一人で暮らしています」

和山 深雪 : 「......玄関の靴は」

暁己 游宕 : 「靴がどうかしましたか?」

和山 深雪 : 「....いえ、なんでもありません」
和山 深雪 : 目をそらします。

暁己 游宕 : 「ふふ、変なひと。他には? 何か聞きたいことはありますか?」

和山 深雪 : 「年齢は?」

暁己 游宕 : 「27歳です」

和山 深雪 : 「....そうですか」

暁己 游宕 : 「深雪くんはおいくつなんですか?」

和山 深雪 : 「同じです」

暁己 游宕 : 「おや、偶然ですね」

和山 深雪 : 「たしかにそうですね」

和山 深雪 : 「私はどうしたらいいのですか?」

暁己 游宕 : 「いずれお手伝いしてほしいことはありますが、それは慣れてからで構いません。それまでは、私のお話相手になってくだされば十分です。もう分かっているとは思いますが、この通り何もないので、少々退屈でして……」

和山 深雪 : 「....話し相手」
和山 深雪 : 「話すのはあまり得意ではないのですが」

暁己 游宕 : 「少しずつ慣れていってください。お喋りも、ここでの生活にも」

和山 深雪 : 「.....すみません」
和山 深雪 : 下を向いて頷きます。

暁己 游宕 : 「ふふ、質疑応答はこんなものでしょうか。では、私が満足するまで誘拐されていてくださいね」

暁己 游宕 : 「貴方に使っていただくお部屋へご案内しましょう」

和山 深雪 : ついていきます。

KP : 彼はすっと立ち上がると、この家の間取りを説明してくれる。どこも田舎の日本家屋らしくだだっ広い部屋のようだった。貴方が通されたのは暁己の隣の部屋で、尋ねるのであれば彼は客間なのだと話す。中からは湿って濃くなったい草の香りが漂ってくる。

暁己 游宕 : 「あまり手入れはしていないのでお恥ずかしいのですが……。部屋のものはすきにしてくれて構いません。これから貴方が過ごす部屋ですしね。ほかの部屋もすきに見て行ってください。……ああ、離れには鍵がかかっていますので、入らないようにお願いします」

和山 深雪 : 「ありがとうございます」
和山 深雪 : ぺこり

暁己 游宕 : 「それから、ネットを使うときは、お手数ですが居間まで行ってください。ここ、電波が最悪で……。それでは私は夕飯の準備をしておきますね。あとで呼びに来ますから、それまでお好きなように過ごしていてください」

和山 深雪 : 「電波通ってるんですね」

暁己 游宕 : 「辛うじてですが。今の時代、ないと不便ですから」

和山 深雪 : 「そうなんですね。どちらにしてもスマホをもってきていないので関係ないですが。」

暁己 游宕 : 「珍しいですね。貴方が不自由しないのであれば良かったです」

和山 深雪 : 「お気遣いいただきありがとうございます」

暁己 游宕 : 「いいえ、ではごゆっくり」

 

 

 

KP :

〇壱日目・昼

以降貴方は探索をすることになる。
同時に、以降貴方はすきなタイミングで帰ることができる。
基本は朝昼晩の三回行動。情報量に関係なく、一部屋を見ることで一回行動とみなす。

KP : ▽探索可能箇所
  ・探索者の部屋
  ・KPCの私室
  ・居間
  ・物置
  ・書斎
  ・風呂場
  ・庭
  ・離れ

和山 深雪 : 探索者の部屋

KP : ◇あなたの部屋
  広々とした8畳ほどの和室だ。書き物机、押し入れがある。
  調度品はどれも古いが、埃を被っていたりする様子はなく、整然と並んでいる。

KP : ▽探索可能箇所
  ・書き物机
  ・押し入れ

和山 深雪 : 書き物机

KP : ・書き物机
  ニスの塗られた天板は深い飴色に艶めいている。メモ帳とペンが数本置かれており、引き出しがあるのもわかるだろう。

  ≪詳細探索箇所:引き出し≫
  ・引き出し
  〈目星〉

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 82 > 失敗

和山 深雪 : 押し入れ

KP : ・押し入れ
  ごく一般的な押し入れだ。開けば来客用であろう、じゃっかんくたびれた布団が二組入っている。
  〈聞き耳〉

和山 深雪 : CCB<=25 【聞き耳】 (1D100<=25) > 40 > 失敗

KP : 〈目星〉も振れます。

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 44 > 成功

KP : 長い髪の毛が見つかる。茶色で細く、おそらく女性の毛髪ではないかと感じるだろう。

 

KP : あなたが自室で過ごしていると、彼が扉越しに声を掛けてくる。

暁己 游宕 : 「深雪くん。夕食の支度ができました。召し上がりますか?」

和山 深雪 : 「いただきます」

暁己 游宕 : 「では、居間にいらしてください」

和山 深雪 : 居間に行きます。

 

 

KP : あなたが彼のあとをついて居間に向かうと、ちゃぶ台の上には、鮭の西京焼き、大根の味噌汁、かぶの漬物が置かれていた。食欲をそそる良い匂いがしてくる。

暁己 游宕 : CCB<=(15*5) 【料理】 (1D100<=75) > 45 > 成功

和山 深雪 : 「....ありがとうございます」
和山 深雪 : おいしそうで口元が緩みます

暁己 游宕 : 「いえいえ。お口に合うと良いのですが」

和山 深雪 : 手を合わせます。

暁己 游宕 : 「いただきます」

和山 深雪 : 「...いただきます」

和山 深雪 : もぐもぐ

暁己 游宕 : 「人に料理をふるまうのは久しぶりで……。どうでしょうか?」

和山 深雪 : 「おいしいです。」

和山 深雪 : 「私も誰かの手料理を食べるのは久しぶりです」

暁己 游宕 : 「へえ。貴方もお一人で暮らしていたんですか?」

和山 深雪 : 「そうですね。」

暁己 游宕 : 「また共通点が見つかりましたね」

和山 深雪 : 「そうですね....」

暁己 游宕 : 「そうだ、深雪くんは何をされている人か、聞いてもいいですか?」

和山 深雪 : 「陶芸をしています」

暁己 游宕 : 「素敵ですね。貴方がここに居てくれるなら、いずれ工房を作りましょうか」

和山 深雪 : 「え.....」

暁己 游宕 : 「ふふ、貴方が過ごしやすいように計らいたいだけです」

和山 深雪 : 「冗談がお好きなんですね」

暁己 游宕 : 「おや、冗談を言ったつもりはなかったのですが。まあ良いです」

和山 深雪 : 「ご家族は?」

暁己 游宕 : 「離れて暮らしています」

和山 深雪 : 「ご健在なんですね」

暁己 游宕 : 「ええ、恐らくは」

和山 深雪 : 「そういうものですよね」

暁己 游宕 : 「ご家族との縁が薄いのですか?」

和山 深雪 : 「どうでしょう。黙って家を出たので、そうとも言えるかもしれません」

暁己 游宕 : 「複雑な事情があるのですね。深くは聞きません。しかし、貴方が話したくなったときには、いつでも聞き役になりますよ」

和山 深雪 : 少し笑います。

暁己 游宕 : 微笑み返します。

和山 深雪 : ごちそうさまをします。

暁己 游宕 : 「ごちそうさまでした」

KP : あなたたちが食事を終えると、彼はちゃぶ台の上の食器を片付けて、台所のほうに向かう。

和山 深雪 : 追いかけて皿洗いを手伝います。

暁己 游宕 : 「おや、お手伝いしてくださるんですか? ありがとうございます」

和山 深雪 : 「いいえ」
和山 深雪 : 「....おいしかったです。ごちそうさまでした。」

暁己 游宕 : 「お粗末様でした。……そちらのお皿を棚にしまったら、もう戻って構いませんよ。助かりました」

和山 深雪 : ぺこり

 

 

 

KP :

〇壱日目・夜

以降貴方は探索をすることになる。
同時に、以降貴方はすきなタイミングで帰ることができる。

 

KP : シークレットダイス

 

和山 深雪 : 居間

KP : 食器を片付け終えた彼が、居間にやってくる。

暁己 游宕 : 「私もここで少しお茶を飲んでいきます。深雪くんは気にせず自由に過ごしてください」

和山 深雪 : 「わかりました」

KP : ◇居間
  広々とした居間。食事用のちゃぶ台と座椅子、テレビが置かれている。どことなく懐かしいような光景が広がっていた。
  ≪詳細探索箇所:テレビ≫

和山 深雪 : テレビ

KP : ・テレビ
  ブラウン管、とまではいかないが型の古いテレビでずいぶんと分厚い。電源をつけるのであればノイズ交じりの退屈なバラエティが映し出される。
  テレビ台の下にはビデオデッキが設置され、いくつかのビデオテープとDVDが見つかるだろう。どれも古い洋画ばかりだが、これをみて暇をつぶすのもいいかもしれない。
  〈目星〉

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 28 > 成功

KP :  ラベルに何も書かれていない、古いビデオテープが見つかる。
再生すれば、テープが壊れているのか画面には何も映らず、ノイズがかって不鮮明な音声だけが聞こえてきた。
弱弱しく命乞いをする女の声と、ひたすら謝る男の声。それとは別の男が「やって」となにかを急かす。謝っていた男がぐっと息を詰まらせた後、何某かを呟く。その異様さは、雨音にも似たノイズ越しであろうと関係がなかった。
ぶつぶつとしたそれはひとつの連なりとなり、うねる。ともすればノイズのうちのひとつと勘違いしてしまいそうなほどに小さく震える声であるがしかし、朗々と読み上げられ、明確に貴方の鼓膜に届いた。異様な不気味さを伴った音の流れが貴方の脳髄へ入り込み、犯す。ひときわ甲高いノイズが鳴り――それは女の叫び声であった。『なにか』があったことは、考えずともわかった。
【SANc1/1d3】

和山 深雪 : CCB<=62 【SAN値チェック】 (1D100<=62) > 39 > 成功

KP : 〈聞き耳〉+〈アイデアの組み合わせロールができます。

和山 深雪 : CBRB(25,65) (1d100<=25,65) > 72[失敗,失敗] > 失敗

system : [ 和山 深雪 ] CT : 1 → 0

和山 深雪 : CBRB(25,65) (1d100<=25,65) > 69[失敗,失敗] > 失敗

和山 深雪 : 游宕さんを見ます。

暁己 游宕 : 「どうかしましたか?」

和山 深雪 : 「このビデオって」

暁己 游宕 : 「え、あ……?」

KP : 彼はビデオを見た途端、突然嘔吐する。

暁己 游宕 : 「……ぅ……っ」

和山 深雪 : 駆け寄って背中をさすります。

和山 深雪 : 「大丈夫ですか?」

暁己 游宕 : 「え……? あれ、どうして吐き戻しているんでしょう……」

KP : 記憶の混濁が見られます。ビデオのことを覚えていないようです。

暁己 游宕 : シークレットダイス
暁己 游宕 : シークレットダイス

和山 深雪 : 「いったん吐いて楽になりましょう」

暁己 游宕 : 「ああ、すみません……もう大丈夫です。お見苦しいところを見せてしまいました。すぐに片づけますから、深雪くんは部屋に戻ってください」

和山 深雪 : 「大丈夫ですよ。休んでいてください。水を持ってきますね」

暁己 游宕 : 「ありがとうございます……」
暁己 游宕 : 水を受け取って飲みます。

和山 深雪 : 片付けます。

暁己 游宕 : 「ああ、汚いですから、そんなことしなくていいですよ」

和山 深雪 : 特に反応せず片づけます。

暁己 游宕 : 「貴方はやさしい人ですね。ありがとうございます」
暁己 游宕 : と言って一緒に片付けます。

和山 深雪 : 「よく体調を崩すので慣れているんです。本当に、休んでいていいですから」

和山 深雪 : 片づけおわりました。

暁己 游宕 : 「助かりました。深雪くんも、今日は早めに休んでください。私ももう休みます」

和山 深雪 : 「....わかりました。立てますか?」

暁己 游宕 : 「ええ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」

和山 深雪 : 「そうですか。お大事にしてくださいね。何かあったら呼んでください。」

暁己 游宕 : 「ふふ、そうしますね。では、おやすみなさい」

和山 深雪 : 「おやすみなさい」

和山 深雪 : ぺこり

 

KP : シークレットダイス

KP : シークレットダイス

 

 

 

KP :

〇弐日目・朝

以降貴方は探索をすることになる。
同時に、以降貴方はすきなタイミングで帰ることができる。

和山 深雪 : 書斎

KP : シークレットダイス

KP : 扉を開ければ、古書特有のあまい香りがふわりとあなたの鼻腔を抜けた。中に入ると、そこには彼がいた。

暁己 游宕 : 「ああ、おはようございます。すみません、私は朝食を食べないほうで。もし何か食べたければ、冷蔵庫の食材を好きにしていいですよ」

和山 深雪 : 「おはようございます。私もあまり食べないので大丈夫です。...ごめんなさい、邪魔してしまいました」

暁己 游宕 : 「いいえ、大丈夫ですよ。深雪くんも、私に構わず自由に見ていってください」

和山 深雪 : こくり

KP : ◇書斎
  天井にまで届きそうな本棚には、小説から専門書、洋書までジャンルを問わず雑多に本が置かれており、どことなく圧倒されるかもしれない。
  ここの蔵書をすべて読むのであれば、一年あっても足りるか怪しいだろう。
  〈目星〉〈図書館〉

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 100 > 致命的失敗
和山 深雪 : CCB<=70 【図書館】 (1D100<=70) > 42 > 成功

KP : 鍵のついた手帳が一冊と、隅に押しやられるようにして本が一冊おかれていることに気が付く。まるでみたくないとでも言いたげだ。

  ≪詳細探索可能箇所:本、鍵のかかった手帳≫

和山 深雪 : 本

KP : ・本
  心理学系統の専門書のようだ。
  読んでいれば気になる叙述があった。

KP : □ストックホルム症候群
ストックホルム症候群ストックホルムしょうこうぐん、英語: Stockholm syndrome)は、誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者についての臨床において、被害者が生存戦略として犯人との間に心理的なつながりを築くことをいう。ただし臨床心理学における心理障害(精神障害)ではなく、心的外傷後ストレス障害として扱われる。スウェーデン国外のメディアが事件発生都市名、ストックホルムに基づいて報道した経緯がある。』
KP : さらに<図書館>が振れます。

和山 深雪 : CCB<=70 【図書館】 (1D100<=70) > 19 > 成功

KP : するりと先ほどの内容が頭に入り、関連する項目へと自然、目が向く。

KP : □ストックホルム症候群-2
『また、ストックホルム症候群と同様の症状(破壊的なカルト被害)を史学的に研究してきたロビンスとアンソニーは、彼らの1982年の調査において「1970年代には洗脳のリスクと潜在的に関連するような逮捕事例が豊富にあること」を見つけた。彼らは「洗脳がこの時期にメディアによって注目されていたことが、ストックホルム症候群を心理状態と見なすような解釈をもたらした」と主張する。』

KP : さらに〈図書館〉を振ることができます。

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 39 > 成功

KP : あなたは先ほどの叙述から、洗脳、というワードにいきつく。

KP : □洗脳
『洗脳(せんのう、英: brainwashing)は、強制力を用いて、ある人の思想や主義を、根本的に変えさせること。
エドワード・ハンターは、日本人捕虜や朝鮮戦争でのアメリカ人捕虜に対する中国共産党の「思想改造」における洗脳手法について、「勉強会」での「学習」、集団学習会での自己批判、巧妙な賞罰(犯罪を告白したものを賞賛し、告白しないものには同調圧力を加える)、罪の意識(罪悪感)を植え付けるなどの特徴を指摘している。』

KP : 続けて〈心理学〉を振ることができます。

和山 深雪 : CCB<=85 【心理学】 (1D100<=85) > 2 > 決定的成功/スペシャ

KP : □洗脳-2
『洗脳の長期的目標は、洗脳を受けた者が、いつでもどこにいても、自立して反応するように仕向けることである。個人の自由意思を間違いであるとして非難する。そして、反対意見や事実を聞くことができなくする。
例えばそういった意見や事実を突きつけても、洗脳を受けた者はそれを拒むだろう。それでもなお突きつけ続けることは、あるいは、狂気的と思える洗脳された者にとっては逆に狂気的に思えることだろう。
正気と狂気の境は、当人にしか判断できないものである。正気とは、貴方が、正気であるのなら、貴方は、正気ならば、貴方がすべきは、正気であることである正気を、保ちなさい。』
KP : 後半にいくにつれ奇妙な記述がされている。はっとして見やれば、いちばん最後の連はすっかりと消えていた。白昼夢のようにして。貴方になにかしこりのようなものを残して。
奇妙なことである。【1/1d2のSANc】。しかしたとえなんであれ貴方は貴方にとって正気である。

和山 深雪 : CCB<=61 【SAN値チェック】 (1D100<=61) > 20 > 成功

和山 深雪 : 手帳

KP : ・手帳
  短い日記やその他メモのようなものが書かれている。

KP : □日記
『(8年前の日付)
○月▽日
今日で79回目の誕生日だということを認識した。吸魂は不老であって不死ではない、寿命もそろそろ尽きるだろうという直感がある。もって数年がいいところだろう。
私はこのまま死ぬのだろうか。この家に縛られたまま、たったひとりで。
私が死ねばどうなるのだろうか。私の死は誰にも悼まれず、このまま無人の地で、ただの養分になり果てるだけなのだろうか。私は。私は。

○月□日
私はせめて私として死にたい。
そのためには代わりが必要だ。でないとあれは私が自由になることをゆるしはしないだろう。ああ、一族の繁栄に手を貸したとはいえ、私にはもはや関係のないこと。継がれて残ったのは呪いじみた束縛だ。

○月◇日
男女の恋人を攫った。子作りをさせればあるいは、とも思ったが、赤ん坊が成長するまでの時間を思うとそれも難しいだろう。
双方とも魔術的素質は薄い。あれもたいして気に入らなかったようだ。そのうち養分になるだろう。

(以下、攫った人間と素質についての記述が続く)

KP :
(7年前の日付)
◇月□日
ついに見つけた! ようやくだ、ずいぶんとかかったが理想的な個体が見つかった。素晴らしい素養だ、どうやらあれも気に入ったらしく、養分を吸う様子はない。
攫った直後ということもあり今は昏倒しているが、このあとどうするかを考える必要があるだろう。
あれが何もしないのであれば、こいつはじきに逃げ出してしまう。確実に私の代わりになってもらわねば。

◇月○日
吸魂ついでに用済みになった女を処分した。……あいつはその光景もあり、私に対してだいぶ怯えをみせていたがこれをうまく使えないだろうか。
呪文だけでなく、本人の心理操作もできるのであればそれに越したことはない。恐怖と罪悪感は人間をつくりかえるのに適している。

◇月▽日
しっかりと教えたこともあり、吸魂はすぐに習得したようであった。まだ不完全だが、やはり魔術的素養は高い。これであれば、私の代わりとして十分に機能するだろう。
魅了をかけて無理やり吸魂をさせたが、ずいぶんと堪えていたようだった。
未だ私に対しては怯えた態度だが、過度な飴と鞭のほうが効くだろう。いろいろと試してみる。

KP : (やや日付が空く)

◇月✕日
私に対してやや心を開き始めた。正確に言えば心理的外傷を薄めるための防衛本能だが。
この調子でいけばうまいこと躾直せるだろう。
記憶を曇らせてもいいが、放っておけば自身で記憶を封じてくれそうだ。様子を見る。

◇月◎日
今日は別の女を攫ってきた。腹を空かせていたらしいあれは逃げ出しかけた女をすぐ餌にして養分を吸ったが、あいつの方はそれを自分がやったと思い込んでしまったらしい。なるほどたしかに、吸魂された人間と、餌にされた人間の末路は酷似している。都合がいいのでそういうことにしておいた。
お前の意思の働かぬところでお前が人を苦しめ、殺したのだと。
しかし、ここにいる限りそれがバレることはないし、私ならそんなお前とでも居てやると。
あいつは神妙そうな顔をしていた。すこし嫌な予感がする。

◇月□日
嫌な予感が当たった。手ごろな刃物で手首を切っていた。治癒がなければ、みすみす死なせてるところだったので肝が冷えた。
死なせない理由が必要だ、私の死後も死なないように。

KP : (しばらく日付が空く)

◇月◎日
どうやらあの歌はしっかり効いているようだ。吸魂も、私が言えばいやいやながらも行っている。自死に至る様子もない。私のことを絶対であると、インプリングされたひな鳥のように思い込んでいる。
これでいい。これで私は、最後の最後に自由を手に入れることができた。死に方を選べるというのは、人間にあたえられた最も重要な自由だ。
死体はどうか、灰に。

KP : また、手帳の最後には呪文が書かれている。

KP : □呪文一覧 ※リプレイでは省略します※
KP : 呪文を習得する場合、二行動(約12時間)消費したうえで、INT*3に成功したものを習得することができる。
また、(呪文の習得数)d2のクトゥルフ神話技能をただちに習得する。
※習得に失敗した場合も、使用こそできないが呪文の概要は把握ができる。

和山 深雪 : 目についた青い背表紙の本を手に取り持ち帰ります。

和山 深雪 : 「この手帳はあなたのものですか?」

暁己 游宕 : 「ん? いいえ、私のものではないですね」

KP : シークレットダイス(心理学)
KP : あなたは、彼は本当のことを言っているように思います。

和山 深雪 : 「そうなのですね。」

和山 深雪 : 「この本たちはいったい誰が集めたものなんですか?」

暁己 游宕 : 「大家さんですよ。彼は相当な読書家でしたから」

和山 深雪 : 「大家さん、ですか」

暁己 游宕 : 「はい、大家さんです」

和山 深雪 : 「長い間戻られていないのですか?」

暁己 游宕 : 「2年ほどは戻られていませんね」

和山 深雪 : 「2年、長いですね」

暁己 游宕 : 「そうかもしれませんね」

和山 深雪 : 「一人では寂しかったのではないですか?」

暁己 游宕 : 「……ええ。ですからこうして、貴方を攫ってきたという訳です」

和山 深雪 : 「....へえ」

KP : では、部屋全体に〈目星〉を振ってください。

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 68 > 成功

KP : 積みあがった本の奥、ぽつんと扉が存在していることに気が付く。

和山 深雪 : 「...!」

和山 深雪 : 近づきます。

KP : 扉には名前の消えたプレートがかかっている。
鍵がかかっており、入ることは難しそうだった。

 

KP : あなたたちが思い思いに書斎で過ごしていると、時刻は昼に差し掛かる。

暁己 游宕 : 「そろそろお昼時ですね。仕込みは終わっているので、昼食にしましょうか。一緒に召し上がりますか?」

和山 深雪 : 「いいんですか?」

暁己 游宕 : 「もちろん。2人分用意しています」

和山 深雪 : ちょっと笑います。

和山 深雪 : 「いただきますね」

暁己 游宕 : 「では、行きましょうか」

和山 深雪 : てくてく

 

KP : 貴方は彼と共に書斎を出る。居間に入り、腰をかけていれば、彼が盆に食事を載せて戻ってくる。
今日の昼食はローストビーフ丼のようだ。オニオンソースの上に、彩で刻みネギが添えられている。付け合わせの副菜はミョウガの漬物だ。

和山 深雪 : 「...すごいですね」

暁己 游宕 : 「良い牛もも肉が手に入ったので。深雪くんもいることですし、朝から仕込んでいました。少し張り切りすぎましたね」

和山 深雪 : 「張り切りましたね」

暁己 游宕 : 「おや、言うようになりましたね」

和山 深雪 : 笑います。

暁己 游宕 : 「では、冷めないうちにいただきましょうか」

和山 深雪 : 「いただきます」

暁己 游宕 : CCB<=(15*5) 【料理】 (1D100<=75) > 25 > 成功

暁己 游宕 : 「いただきます」

和山 深雪 : 「次ご飯作るときは手伝いますね」

暁己 游宕 : 「ふふ、ありがとうございます。お言葉に甘えて、今晩は貴方にもお手伝いしていただきましょうか」

和山 深雪 : 「はい」

和山 深雪 : 「食材はどこで手に入れるんですか?」

暁己 游宕 : 「集落にある商店を利用したり、そこで用が足りなければ山を下りて仕入れに行くこともありますよ」

和山 深雪 : 「大変ですね」

暁己 游宕 : 「どうでしょう。もう慣れましたから」

和山 深雪 : 「偉いですね」

暁己 游宕 : 「なんだか気恥ずかしいですね。でも、ありがとうございます」

和山 深雪 : 微笑みます。

和山 深雪 : 「レシピはどうしてるんですか?」

暁己 游宕 : 「書斎にレシピ本もあるんですよ。それを参考にしたり、食べたいものがあればネットで検索してみたり。いろいろです」
暁己 游宕 : 「何かリクエストがあれば、頑張ってみますから遠慮なく言ってくださいね」

和山 深雪 : 「そうなんですね。ちょっと考えてみます」

暁己 游宕 : 「ええ、お待ちしています」

和山 深雪 : ぺこ

暁己 游宕 : 「ごちそうさまでした。もし宜しければ、片付けを手伝っていただけませんか?」

和山 深雪 : 「ごちそうさまです」
和山 深雪 : 「もちろんです」

暁己 游宕 : 「ありがとうございます。では、一息つく前に終わらせてしまいましょうか」

KP : そう言って彼は空いた丼や皿を片付ける。
KP : あなたたちは協力して食器の片づけを終えた。

 

 

 

KP :

〇弐日目・昼

以降貴方は探索をすることになる。
同時に、以降貴方はすきなタイミングで帰ることができる。

和山 深雪 : 庭

KP : シークレットダイス

KP : ◇庭
  広大な庭だ。目線をやれば奥に連なる山々の景色が見渡せる。連日続く悪天候でなければ、この見晴らしをたのしめたかもしれない。
  庭の草木は黒く枯れ果ててしまっており、ずいぶんと長いこと手入れをされていないのだろうとぼんやり思う。小規模な池には悠々と泳ぐ魚の影が映っていた。
KP : ▽探索可能箇所:
  ・山全体
  ・木
  ・池

和山 深雪 : 木

KP : ・木
  黒々として乾いた木だ。叩けばひどく枯れた音がする。
  〈アイデア

和山 深雪 : CCB<=65 【アイデア(1D100<=65) > 15 > 成功

KP : どこか違和感を感じる。

  連続して〈生物学〉〈知識1/2〉

和山 深雪 : CCB<=45/2 【知識】 (1D100<=22) > 39 > 失敗
和山 深雪 : CCB<=1【生物学】 (1D100<=1) > 93 > 失敗

KP : 違和感の正体はわかりませんでした。

和山 深雪 : 山全体

KP : ・山全体
  どことなく生気の薄い山である。ぐるりと見やれば、奇妙なほどに成長した木々がすっかり消えてしまった印象を受ける箇所がぽつぽつと見えた。
  〈アイデア

和山 深雪 : CCB<=65 【アイデア(1D100<=65) > 18 > 成功

KP : 不規則であることから、手入れをされたわけではないと感じる。また、その更地じみた箇所の大きさがある程度似通っていることがわかる。なにか法則性等があるのだろうか。

和山 深雪 : 池

KP : では、<INT*4>を振ってください。

和山 深雪 : CCB<=42 【INT*4】 (1D100<=42) > 10 > 成功

KP : ・池
  一瞬、奇妙な輝きが貴方の視界の端に映った。
KP : 水は濁っており、生き物が暮らすにはあまりにも不健全である。しかし、影はたしかに水面下で、すぅ、と滑らかに動き、そこを城にしているらしかった。
  〈目星〉

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 90 > 失敗

KP : 特に変なところはありませんでした。

和山 深雪 : 水切りをします。

KP : では<DEX*5>で判定します。

和山 深雪 : CCB<=75 【DEX*5】 (1D100<=75) > 71 > 成功

KP : 華麗な水切りを披露しました。

 

KP : あなたが庭を観察して時間をつぶしていると、昨日より早い時間に彼が声を掛けにやってきた。

暁己 游宕 : 「深雪くん、お時間大丈夫ですか? せっかくですから、夕食のお手伝いをしてもらおうかと思って呼びに来ました」

和山 深雪 : 「大丈夫ですよ。今行きます」

暁己 游宕 : 「ありがとうございます。では居間に来てください」

和山 深雪 : てくてく

KP : あなたが居間にやってくると、ちゃぶ台の上には餃子の皮と種、ホットプレートが用意されていた。

暁己 游宕 : 「今日は餃子です。一緒に包むところからやってみましょうか」

和山 深雪 : 「餃子だ....」
和山 深雪 : 「この状態で初めて見ました」

暁己 游宕 : 「ふふ。ではお手本をお見せしますから、まずは真似してみてください」

和山 深雪 : 手元をのぞき込みます。

暁己 游宕 : 上手に包みました。

和山 深雪 : 少し目を輝かせます。

和山 深雪 : 見よう見まねでつつみます。

KP : 上手に包めたかどうか<DEX*5>で判定しましょう。

和山 深雪 : CCB<=75 【DEX*5】 (1D100<=75) > 49 > 成功

暁己 游宕 : 「おや、お上手ですね。その調子で残りも包んでしまいましょうか」

和山 深雪 : 「うん」

暁己 游宕 : ちょっと嬉しそうに微笑んで、作業を続けます。

和山 深雪 : 楽しそうです。

KP : では、あなたたちが和やかな雰囲気で餃子を包み終わる頃、彼がホットプレートを温め始めます。

和山 深雪 : 「これで焼くんですか?」

暁己 游宕 : 「ええ。油がはねるといけませんから、深雪くんは少し離れていてくださいね」

和山 深雪 : 「焼いてみたいです」

暁己 游宕 : 「いいですね。では、貴方の分のエプロンを持ってきます」

KP : 少しして、彼が居間に戻ってくる。

暁己 游宕 : 「こちらを着てください」

和山 深雪 : 「ありがとう」

暁己 游宕 : 「ホットプレートも温まりましたね。まずは、私が焼き方のコツを伝授いたしましょう」

KP : そう言って彼はホットプレートに包んだばかりの餃子を等間隔に並べる。お湯を入れてから蓋をし、しばらく蒸し焼きにしたあと、ごま油を流し入れて底に焼き色をつけていく。

暁己 游宕 : CCB<=(15*5) 【料理】 (1D100<=75) > 91 > 失敗

暁己 游宕 : 「少し焼き色をつけすぎましたね、すみません。こちらは私が食べましょう」
暁己 游宕 : 「焼き方の要領は把握できましたか?」

和山 深雪 : 頷きます。

暁己 游宕 : 「では、実践といきましょうか」

和山 深雪 : 「わかった」

KP : 上手に焼けたかどうかも<DEX*5>で判定してみましょう。

和山 深雪 : CCB<=75 【DEX*5】 (1D100<=75) > 56 > 成功

暁己 游宕 : 「お上手です。とても美味しそうにできましたね。このまま残りも焼いてしまいましょう」

和山 深雪 : 黙々と焼きます。

KP : あなたたちは美味しそうな餃子を作ることができました。

暁己 游宕 : 「……これで最後ですね。では、いただきましょうか」

和山 深雪 : 「食べよう」

暁己 游宕 : 「いただきます」

和山 深雪 : 「いただきます」

暁己 游宕 : 「美味しいですね。……ふふ、深雪くんがお手伝いしてくれたおかげでしょうか」

和山 深雪 : 「....おいしい。」

暁己 游宕 : 「それは良かった。たくさん食べてくださいね」

和山 深雪 : 「ありがとう」

暁己 游宕 : 「いえいえ。貴方が喜んでくれて、私も嬉しいですよ」

和山 深雪 : 「なんで餃子にしたの?」

暁己 游宕 : 「二人で準備できる定番の料理かと思いまして」

和山 深雪 : 「そうなんだ。楽しいね。」

暁己 游宕 : 「そうですね。私も人と料理をするのは初めてでしたから、何だか新鮮な気持ちです」

和山 深雪 : 「大家さんとは料理しなかったの?」

暁己 游宕 : 「……そうですね。特にそういったことは」

和山 深雪 : 「そう...」
和山 深雪 : 「今日は楽しめたね」

暁己 游宕 : 「ええ。また作りましょうか」

和山 深雪 : 「うん」

暁己 游宕 : 「そのときはまたお手伝いをお願いしますね」

和山 深雪 : こくり

暁己 游宕 : 「……作りすぎたかと思いましたが、案外食べきってしまいましたね。ごちそうさまでした」

和山 深雪 : 「ごちそうさまでした。....おなか一杯だ」

暁己 游宕 : 「ふふ。少しお腹を落ち着けてから後片付けしましょうか」

和山 深雪 : 「そうだね」

KP : あなたたちは一休みしてから、食器や調理器具を片付けました。

 

 

 

KP :

〇弐日目・夜

以降貴方は探索をすることになる。
同時に、以降貴方はすきなタイミングで帰ることができる。

和山 深雪 : 物置

KP : シークレットダイス

KP : ◇物置
  扉を開ければ、薄暗い一室が貴方を出迎える。薄暗がりに慣れた目であたりを見渡せば、薄らと埃で化粧されたさまざまの雑貨がじっとしているのがわかった。電気を付ければ、経年劣化で弱くなったのか、ぼんやりとした光がそれらをじわりと照らしだす。

  〈幸運〉成功ですきなものが手に入る。

和山 深雪 : CCB<=65 【幸運】 (1D100<=65) > 55 > 成功

KP : では欲しいものがあれば後で取りにくることにしましょう。

KP : 続けて物置全体に〈目星〉が振れます。

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 42 > 成功

KP : 冬物のストーブやら灯油缶やらが押し込められた奥に、なにか灰がかった枝のようなものが落ちているとわかる。遠目からでは詳細はわからない。

和山 深雪 : 近づいて手に取る。

KP : 手に取れば、かさついた感触がある。じっと見つめて、気が付く。

 

 

KP : 腕、である。

 

 

KP : それはおおよそ八〇㎝ほどの、しなびた、灰色の人間の腕であった。ひどくひびが入り、かさついた表面のところどころはぼろぼろと崩れ落ちている。しかし、関節のまるい曲線や、醜くはりつくばかりとなった爪が、それがもとは人間のものであったのだと示している。しかし、そうなのだとすれば。いったい何があれば、このような枯れた腕になるのだろうか。厭な想像が貴方の脳内を巡る。それは貴方の想像しうる範囲の、あるいは想像しえない範囲の、指先をかすかにしびれさせる妄想だ。
【SANc0/1d6】

和山 深雪 : CCB<=60 【SAN値チェック】 (1D100<=60) > 33 > 成功

KP : また、その腕の先、手の内に何かを握り込んでいるのがわかった。

和山 深雪 : みます。

KP : 開くのであれば、小さな鍵が出てくる。

和山 深雪 : 拾い上げます。

KP : わかりました。では、〈アイデアを振ってください。

和山 深雪 : CCB<=65 【アイデア(1D100<=65) > 24 > 成功

KP : あなたは、それが書斎の奥の扉の鍵なのではないかと思います。

和山 深雪 : ふうんと思います。

 

KP : シークレットダイス
KP : シークレットダイス

KP : 〈アイデアを振ってください。

和山 深雪 : CCB<=65 【アイデア(1D100<=65) > 9 > スペシャ

KP : あなたは、寝ている間になにか焼けつくようなぴりりとした痛みを感じた。

KP : HPとMPを3ずつ減らしてください。

 

 

 

KP :

〇参日目・朝

以降貴方は探索をすることになる。
同時に、以降貴方はすきなタイミングで帰ることができる。

和山 深雪 : 書斎

KP : シークレットダイス

KP : 朝、あなたが書斎に行くと、またしても彼が居た。

暁己 游宕 : 「おはようございます。ここでお会いするのは2回目でしょうか。奇遇ですね」

和山 深雪 : 「おはよう。」
和山 深雪 : 「そうだね。また会ったね」

暁己 游宕 : 「今日も私のことはお気になさらず。朝食を食べるのであれば、それもご自由にどうぞ。私はここで本を読んでいますので、何かあれば話しかけてください」

和山 深雪 : 扉のほうへ向かいます。

KP : 鍵を使うのであれば、開くでしょう。

和山 深雪 : 開けます。

KP : ▽書斎奥
  扉をそっと開ければ、ギイと錆びた音が響く。中からは湿った埃の香りがした。ひどく暗い部屋だ。電気をつければ、瞬きのようにちか、ちかと明滅を繰り返す。ろくな見通しが効かない。暗闇になれた目であたりを見渡せば、そこかしこに禍々しい置物や水晶、物々しい雰囲気の書籍の山が置かれている。

KP : ▽探索箇所:書籍の山、棚

和山 深雪 : 書籍の山

KP : ・書籍
  〈図書館〉を振ることができます。

和山 深雪 : CCB<=70 【図書館】 (1D100<=70) > 25 > 成功

KP : 擦り切れ、日焼けし、ぼろぼろになった本が見つかる。掠れた箇所が多く、そのほとんどは読み取れない。以下は解読できた箇所である。

KP : □古書
『強い光はxxxxxxを阻止することができる。xxxxxxは昼間は暗くて涼しい隠れ家に身を潜めているのである。
(掠れて読めない)
犠牲者は吸い取られている感覚、焼けつくような感覚をはっきりと認識しだんだんしぼんで灰色になっていく。
(掠れて読めない)
このようにしてうしなったxxxxxxxxxはその場所を離れないかぎりは取り戻すことができない。 また、この攻撃の影響として、犠牲者は自分の家に精神的に縛り付けられるようになる。精神力が弱まっていくにつれて家に縛り付けられる気持ちがどんどん強まっていき、抵抗できないくらいになる。
(掠れて読めない)
最後に、xxxxxxは自分の一部を集中させて固体化させることができる。』

和山 深雪 : ふうんと思います。

和山 深雪 : 棚

KP : ・棚
  〈目星〉を振ることができます。

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 28 > 成功

KP : 品や見た目や絢爛さなどに統一性のない雑貨の中でひとつ、目を惹かれる小箱がある。
手に取って開くと、そこには鍵と、一枚のメモが入っていた。

和山 深雪 : メモを見ます。

KP : □メモ
  ひどく端的なメモで、以下のように書かれている。

  『私はあれを死なせたくはないと思い始めた。後継者であり、唯一の理解者だ』

和山 深雪 : ふうんと思います。

和山 深雪 : 鍵をとる

KP : では〈アイデアを振ってください。

和山 深雪 : CCB<=65 【アイデア(1D100<=65) > 28 > 成功

KP : では、あなたはそれが離れの鍵なのではないかと思います。

和山 深雪 : ふうん

和山 深雪 : 奥の部屋から出る

和山 深雪 : 声を掛けます。

和山 深雪 : 「離れには、何があるの?」

暁己 游宕 : 「離れですか? 大家さんの荷物が入っています」

KP : シークレットダイス(心理学)
KP : あなたは、彼が何かを隠したがっているのではないかと感じます。

和山 深雪 : 「そうなんだ。物置になる前は誰かが住んでたりしたの?」

暁己 游宕 : 「どうなんでしょう。私も詳しいことは知りません」

KP : シークレットダイス(心理学)
KP : あなたは、彼が本当のことを言っていると感じます。

和山 深雪 : 「...そうなんだ、この家は一人には広すぎるね」

暁己 游宕 : 「仰る通りですね。今は貴方が居てくれて助かっています」

和山 深雪 : 少し困った顔をします。

和山 深雪 : 「大家さんはどんな人なの?」

暁己 游宕 : 「何というか、隠居のようなものなんですが、別に大富豪というわけでもない、といった方でしょうか」

和山 深雪 : 「....?」
和山 深雪 : 「自由な人ってこと?」

暁己 游宕 : 「そうですね、自由……そうだと思います」

KP : シークレットダイス(心理学)
KP : あなたは、彼が『自由』という言葉にどこか引っ掛かりのようなものを感じていると思います。

和山 深雪 : 「自由か...いいね」

暁己 游宕 : 「深雪くんは自由になりたいのですか?」

和山 深雪 : 「自由がないのは苦しい...と思う」

暁己 游宕 : 「そうですね。私もそう思います。人間は誰しも、自由に何かを選び取る権利があるはずですから」

和山 深雪 : 「一度自由に憧れてしまうと、自由からは逃げられないかもしれない」

暁己 游宕 : 「自由にも様々あるでしょう。鳥のように、飛び立ちたいと願う自由もあれば、巣ごもって、誰からも邪魔されまいと願う自由もあるものです」
暁己 游宕 : 「深雪くんの望む自由とは、どのようなものなのでしょうね」

和山 深雪 : 「僕の...自由は...自分で選ぶことかな」
和山 深雪 : 「縛られて選択ができないというのは、もどかしくて苦しい....と思うよ。」

暁己 游宕 : 「私も……そう思いますよ」

KP : シークレットダイス(心理学)
KP : あなたは、彼が概ね同意していると感じます。

和山 深雪 : 「君は?」

暁己 游宕 : 「何でしょう?」

和山 深雪 : 「君は自由になりたいの?」

暁己 游宕 : 「私は自由ですよ」

KP : シークレットダイス(心理学)
KP : あなたは、彼が本当にそう思っていると感じます。

和山 深雪 : 微笑みます。

暁己 游宕 : 微笑み返します。

 

暁己 游宕 : 「……もうすぐお昼時ですね。昼食の仕込みをしてありますから、召し上がるなら居間にいらしてください」

和山 深雪 : 「すぐ行くね」

暁己 游宕 : 「ええ、お待ちしています。ではまた後ほど」

和山 深雪 : 「また」

KP : あなたの返事を聞いて、彼は一足先に書斎を後にした。

 

 

KP : あなたが居間に入ると、ちゃぶ台の上には既に料理が並んでいる。
今日のメニューは、冷やし中華だ。具材は錦糸玉子、キュウリ、鶏むね肉、紅ショウガで、ごまだれがかかっている。

KP : あなたが腰かける頃に、彼は冷たい麦茶をグラスに入れて持ってくる。

暁己 游宕 : 「おや、いらっしゃいましたか。今日は夏らしいメニューにしてみました」

和山 深雪 : 「...麦茶」
和山 深雪 : にっこりします。

暁己 游宕 : 「ふふ。夏と言えば麦茶ですよね」

和山 深雪 : 「そうだね」

暁己 游宕 : 「では、いただきましょうか」

和山 深雪 : 「うん、いただきます」

暁己 游宕 : CCB<=(15*5) 【料理】 (1D100<=75) > 47 > 成功

暁己 游宕 : 「お口に合いましたか?」

和山 深雪 : 「うん、美味しい」

暁己 游宕 : 「それは良かった」
暁己 游宕 : 「そういえば、深雪くんは陶芸をやっていると仰っていましたよね。始めるきっかけは何だったんでしょうか」

和山 深雪 : 「...きっかけ...昔からあまり体が強くなくて家にずっといたから」
和山 深雪 : 「ずっと何かしらを作っていて...それで、かな」

暁己 游宕 : 「そうだったんですね……。ご家族は心配されたことでしょう」

和山 深雪 : 「そうだね。愛されていたと思う。」

暁己 游宕 : 「……それが、貴方にとってはもどかしくて苦しかった?」

和山 深雪 : 「なんでだろうね。愛されていると感じるのにな」

暁己 游宕 : 「愛には得てしてその人のエゴが含まれているものです。その部分が、貴方を苦しめていたのかもしれませんね」

和山 深雪 : 「......そうか」
和山 深雪 : 「...そう思っていた気がするけど、気づかないふりをしていたのかもしれない」
和山 深雪 : 苦笑いします。

暁己 游宕 : 「……向き合うことも、目を逸らすことも、貴方は自由に選べますから」

和山 深雪 : 「...そろそろ考えないとかな」

暁己 游宕 : 「納得できる答えが見つかると良いですね」

和山 深雪 : 「ありがとう」

KP : あなたたちは何やら神妙な空気に包まれながら食事を終え、食器を片付けた。

 

 

 

KP :

〇参日目・昼

以降貴方は探索をすることになる。
同時に、以降貴方はすきなタイミングで帰ることができる。

和山 深雪 : KPCの部屋

KP : シークレットダイス

KP : ◇暁己の部屋
  鍵はかかっていない。ノックをしても返事はなく、室内に誰もいないとわかるだろう。
  開けてみれば、そこは貴方の部屋とほとんど同じつくりの和室となっていた。こちらのほうがやや広いだろうか。部屋に染みついた画材の匂いが鼻につく。部屋の端のほうには、数枚のキャンバスやイーゼルが雑然と置かれている。
  窓の向こうにはとどまることを知らない霧が広がっており、それは薄手のカーテンの色と混ざって外と内の境界線を曖昧にしている。
  ざっと見渡したところ、使い込まれた様子の机、小さめの本棚、奥には扉が見える。

KP : ▽探索可能箇所
  ・机
  ・本棚
  ・奥の扉

和山 深雪 : 机

KP : ・机
  年季ものなのかところどころ塗装が剥げて木がむき出しになっている。引き出しの取っ手も黒ずんでいた。机上に置かれたペンなどもどことなくアンティーク調である。
  ≪詳細探索箇所:机上、引き出し≫

和山 深雪 : 机上

KP : ・机上
  机の上には暁己のものであろうスケッチブックが開かれたまま置かれている。風景画だ。この家を模したものだと分かるだろう。どことなく陰があり、憂愁の色が見える作品だ。

和山 深雪 : 絵を描くんだ と思います。

和山 深雪 : 引き出し

KP : ・引き出し
  中から写真が出てくる。暁己と知らない男の映った写真だ。
仲がいいのか、貴方の知らない気さくな笑顔をしている。まさしく破顔、といった様相だ。
  〈目星〉を振ることができます。

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 1 > 決定的成功/スペシャ

KP : 写真はおおよそ7年前の日付だ。
KP : 続けて〈アイデアを振ることができます。

和山 深雪 : CCB<=65 【アイデア(1D100<=65) > 24 > 成功

KP : 暁己の姿は当時と一切変わっていない。
人間であれば当然経ているべきの、摂理そのものが無視されている。その事実を認識する。おそれにも似た奇妙な冷たさが胸中に広がるかもしれない。
  【SANc0/1】

和山 深雪 : CCB<=57 【SAN値チェック】 (1D100<=57) > 99 > 致命的失敗

KP : また、音楽プレイヤーとどこかの鍵が入っていることがわかる。
音楽プレイヤーを見る場合、見知らぬ男性の歌が入っている。素人らしいが、惹きつけられるものがある。

KP : 鍵に〈アイデアを振ることができます。

和山 深雪 : CCB<=65 【アイデア(1D100<=65) > 74 > 失敗

和山 深雪 : 本棚

KP : ・本棚
  ぎっちりと本が詰まっている。並べ方には法則性がないらしく、背丈も五十音もまるであっていない。じゃっかんだらしないと感じるかもしれない。
  〈図書館〉を振ることができます。

和山 深雪 : CCB<=70 【図書館】 (1D100<=70) > 44 > 成功

KP : 中からノートと手帳が見つかる。そこかしこがボロボロになっており、日焼けもしていた。保存状態はいいとは言えないが、よく取り出して読んでいたのだろうか。

KP : □ノート
『井戸から出ている一筋の燐光は、普通の精神での想像をはるかにしのぐ破滅と異常の感覚を覚えさせるものだった。それはもはや光っているのではなく、流れ出していた。何色とも言えない色の無定形の帯は、井戸を出てまっすぐに天へ上っていくように見えた』
  小説の一説なのだろうか。しかし、それを読み、文字列の織り成す意味を咀嚼した瞬間。ぞっとなにかが貴方の背筋を駆け上った。
  【SANc0/1】

和山 深雪 : CCB<=56 【SAN値チェック】 (1D100<=56) > 38 > 成功

和山 深雪 : 手帳

KP : □手帳
日記やメモ等、とりとめもないことがつらつらと書かれている。
どれもたいしたことのない内容で、同じことが幾度か書かれてすらいる。また、頭痛を訴える記述も多い。
  オープンで〈心理学〉を振ってください。

和山 深雪 : CCB<=85 【心理学】 (1D100<=85) > 28 > 成功

KP : どこか精神の錯乱を感じる。軽いせん妄状態、と思うかもしれない。

  続けて〈目星〉を振ってください。

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 67 > 成功

KP : やや分厚いページがあり、調べて見ればそっと張り合わされていた。
破らないで開くためには〈DEX*5〉に成功することが必要です。

和山 深雪 : CCB<=75 【DEX*5】 (1D100<=75) > 92 > 失敗

system : [ 和山 深雪 ] CT : 2 → 1

和山 深雪 : CCB<=75 【DEX*5】 (1D100<=75) > 18 > 成功

KP : □手記
『私のせいでないと考えると、今までずっと苛まれていた熱病のような感覚がすっかり消えた心地がした。すうっと頭の奥が冷えて、穏やかで変化のない安寧を手に入れたのだと思った。はじめて(黒く塗りつぶされている)、認めがたかったが、どこか高揚と興奮があった。それが私の内と外、どちらなのか、境界があいまいになったから。おだやかな狂気は、患者にあたえられるモルヒネのように思える。手放しがたいとも。私は半ば正気であり、正気であるがゆえに抵抗があるが、しかし、正気に振り切れることもできない。自身のゆるやかな崩壊が心地よいから。』

KP : □手記-2
『この心地よさを。抗えない自分を、誰かが止めてくれるよう、祈ることしかできない。今でさえ自分の正気は輪郭を溶かし、何が正しくなにが間違いなのかさえ、もはやわからなくなってきているのだから』

和山 深雪 : 奥の扉

KP : ・奥の扉
  離れに繋がっているらしい木製の扉だ。鍵がかかっている。

 

KP : あなたが暁己の部屋を出て、しばらく廊下を歩いていたところで、彼に会う。

暁己 游宕 : 「深雪くん、夕食の用意ができていますが、召し上がりますか?」

和山 深雪 : 「いただきます」

暁己 游宕 : 「では、居間に向かいましょうか」

和山 深雪 : てくてく

 

 

KP : あなたが彼に続いて居間の座布団に腰かけていると、台所から盆に料理を載せた彼が戻ってくる。
今晩はビーフストロガノフとポトフのようだ。ほかほかと湯気を上げ、良い匂いが漂ってくる。

暁己 游宕 : 「夕飯は洋食にしてみました」

和山 深雪 : 「食べたいなと思ってた」

暁己 游宕 : 「それは良かった。美味しく出来ていると良いのですが……」

和山 深雪 : 「いただきます」

暁己 游宕 : 「いただきます」

暁己 游宕 : CCB<=(15*5) 【料理】 (1D100<=75) > 74 > 成功

和山 深雪 : もぐもぐほおばっています。

暁己 游宕 : 「ビーフストロガノフは初めて作りましたが、なかなか上手く出来ていて安心しました」

和山 深雪 : 「初めてなんだ...器用なんだね」

暁己 游宕 : 「光栄です。一人で暮らしていると、料理くらいしかすることがないんですよ」

和山 深雪 : 「寂しかったね」

暁己 游宕 : 「もう慣れましたから」

和山 深雪 : 「....そっか」

和山 深雪 : 「君は絵を描くの?」

暁己 游宕 : 「ああ、言っていませんでしたね。画家をやっているんです」

和山 深雪 : 「...驚いた」

暁己 游宕 : 「まあ、この家に引きこもってからは、大した活動はしていないんですけどね」

和山 深雪 : 「ふふ、奇遇ですね。僕も絵を描くんですよ」
和山 深雪 : いたずらっぽく物まねします。

暁己 游宕 : 「おや、茶目っ気のある方だ。そしてクリエイティブなのですね」

和山 深雪 : 「君ほどじゃないかな」

暁己 游宕 : 「恐縮です」
暁己 游宕 : 「深雪くんはどんな絵を描くのですか?」

和山 深雪 : 「少し昔のことだけど、どこか知らない場所の景色をたくさん描いたな...」

暁己 游宕 : 「それは楽しそうですね。絵に描いたところへ行ってみたりはしましたか?」

和山 深雪 : 「全然、体力もないしね」

暁己 游宕 : 「そうでしたか。……酷なことを聞いてしまいましたね」

和山 深雪 : 「そんな、深刻なことじゃないよ」
和山 深雪 : からっとした笑顔を浮かべます。

暁己 游宕 : 「いえ、私が無神経でした。すみません」
暁己 游宕 : 申し訳なさそうにします。

和山 深雪 : 申し訳なさそうな姿が面白くてくすくす笑います。

暁己 游宕 : 笑った深雪くんを見て少し安心したように微笑みます。

暁己 游宕 : 「……食べ終わりましたね。片付けます」

暁己 游宕 : 「ごちそうさまでした」

和山 深雪 : 「ごちそうさまでした。」

KP : あなたたちは食事を終え、いつものように食器を片付けた。

 

 

 

KP :

〇参日目・夜

以降貴方は探索をすることになる。
同時に、以降貴方はすきなタイミングで帰ることができる。

和山 深雪 : 離れ

KP : シークレットダイス

KP : ◇離れ
  扉をあければぶわりとなにかが舞い上がり、小窓から差し込むか細い光をうけてはきらめいた。目の前に広がるものに対してあまりに不釣り合いな、うつくしい光の粒。
かすかな光で照らされたそこには、大量の灰が積みあがっていた。
  それらはひとや、動物、あるいは奇形のなにかの輪郭を、かろうじて残している。乾ききった眼球が、どこまでも暗く深く思える眼窩に行儀よく収まっていた。
  うずたかく積まれた灰になった者たちは、むしろ貴方を異端として、積みあがったあるいは積み上げられた先からじっと見下ろしている。
  灰。灰の側に立てば、形あるものは、すべて虚しい。貴方も、虚しい。
  もはや色のわからなくなった肌や、瞳が、貴方をそっと見つめているような感覚に襲われる。
  それは一体、どのような心地だろう。
  【SANc1/1d8】

和山 深雪 : CCB<=56 【SAN値チェック】 (1D100<=56) > 26 > 成功

KP : ▽探索可能箇所:死体

和山 深雪 : 死体

KP : ・死体
  乾いた箇所から崩壊し、それはさらさらときめ細やかな灰のごとくであった。
表情はどれも、いやに穏やかである。眠りにつく老人や、親の腕に抱かれた赤子のそれのようにして。
  〈目星〉を振ることができます。

和山 深雪 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 68 > 成功

KP : 死体の山のひとつの下に、ずいぶんと古びたメモが落ちている。

和山 深雪 : メモに目を向けます。

KP : □メモ
『ここを出なければならないのだろう。頭のどこかで警鐘がなっている。いや、鳴っていた気がする。私にはその気が起きないのだ。必要がわからないのだ。ここでの不自由ごとはほとんどなかった。ほとんどないがゆえに、この地で生きることが、この地で生きないことよりも、よほど安寧に思えてしまうのだ。私は、すっかりおかしくなってしまった。なぜならそのことに、またいずれこの土地の養分となることに、まったくの抵抗がないから。満足を感じている。それは、それだけは、誰にも害されない事実だ。』

和山 深雪 : 出ます。KPCの私室へ行きます。

 

KP : あなたは彼の私室のドアをノックする。返事はない。

和山 深雪 : 扉をそっと開きます。

KP : あなたが扉を開けてみれば、部屋は暗く、そこに彼の姿はなかった。
どうやら私室には戻っていないようだ。

KP : 〈アイデアを振ってみましょうか。

和山 深雪 : CCB<=65 【アイデア(1D100<=65) > 26 > 成功

KP : では、あなたは居間に電気がついていたことを思い出します。

和山 深雪 : 居間へ向かいます。

 

KP : あなたが居間に行けば、彼はくつろいだ様子で本を読んでいた。

暁己 游宕 : 「おや、どうしましたか?」

和山 深雪 : 「...ごめん」

暁己 游宕 : 「何がでしょう」

和山 深雪 : 「ちょっと君のことが気になったんだ」
和山 深雪 : 「離れを見た」

暁己 游宕 : 「……見てしまいましたか」

和山 深雪 : 黙って目を見つめます。

暁己 游宕 : ゆっくりと微笑み、何も語ろうとはしません。

和山 深雪 : 「何も話してくれない?」

暁己 游宕 : 「知りたいのですか?」

和山 深雪 : 「君はだれ?」
和山 深雪 : 「何のために僕を?」

暁己 游宕 : 「……貴方はもう見てきたでしょう。この家のおぞましい姿を」

和山 深雪 : 「だからわからないんだ。」
和山 深雪 : 「あそこにいた者たちは誰?」

暁己 游宕 : 「そのままです。灰になった死体」

和山 深雪 : 「なぜああなったの?」

暁己 游宕 : 「彼らはこの家を存続させるための養分となった。あれはその果てです」

和山 深雪 : 「家...」

和山 深雪 : 「君の言う大家さんと君の本当の関係は?」

暁己 游宕 : 「私をこの家に連れてきた人です。ちょうど、私と貴方のようなものでしょうね」

和山 深雪 : 「....」

和山 深雪 : 「君の部屋で写真を見て変だなと思った。君は年を取っていないように見えた。」

暁己 游宕 : 「……そうでしょうね」

和山 深雪 : 「僕も君のようになるの?」

暁己 游宕 : 「あなたが私のお手伝いをしてくださるのであれば」

和山 深雪 : 「お手伝い?」

暁己 游宕 : 「この家を存続させるためには、養分が必要ですから。そのためのお手伝いです」

和山 深雪 : 「君がこの家のために人を灰にしているの?」

暁己 游宕 : 「ええ。この家の存続に必要なことであると、そう教わったので」

和山 深雪 : 「大家さんはどうなったの」

暁己 游宕 : 「彼は灰になりました。2年ほど前に」

和山 深雪 : 「自分の意志で?」

暁己 游宕 : 「どうでしょう。わかりません」

和山 深雪 : 「あなたが人をさらったのは初めてではない?」

暁己 游宕 : 「そうですね」

和山 深雪 : 「君と家の関係は何?」

KP : シークレットダイス(心理学)
KP : あなたは、彼が死にたがっているとは感じません。

暁己 游宕 : 「私はここがすきなんです。そして今の生活が気に入っています。彼に託された家を、守りたいとも思っています」

いいところでしょう、と語る彼は郷愁にでも駆られたのだろうか、侘しい庭の方をどこか熱っぽい、ぼんやりとした瞳で見つめていた。薄らとした照明が瞳に映りこみ、揺らいでいる。

和山 深雪 : 「僕は君と暮らしてこの家を守るってこと?」

暁己 游宕 : 「貴方がそれを受け入れてくださるのであれば」

和山 深雪 : 「なぜ僕がいる必要があるの?」

暁己 游宕 : 「私は不死ではありませんからね。私が朽ちた後、この家を任せられる人が必要なのです」

和山 深雪 : 「この家にいるのは誰?」

暁己 游宕 : 「私と貴方の二人だけです」

和山 深雪 : 「...」
和山 深雪 : 「君は自分で決められないの?」

暁己 游宕 : 「何をでしょう? この家に根を下ろしていること? 人を攫ってきて養分にしていること?」
暁己 游宕 : 「全て私の自由意思です。私が選んで行ったことです」

和山 深雪 : 「本当はそうではないかもしれない」

暁己 游宕 : 「なぜそう思うのですか?」

和山 深雪 : 「君の日記を読んだ」
和山 深雪 : 「洗脳されているんだとどこかで気づきながらも、止められないんじゃないのか」

暁己 游宕 : 「私は洗脳などされていません。あるいは、仮にそうだとしても、私はやめません」

和山 深雪 : 「じゃあ、僕がどうするかは強要できるの?」

暁己 游宕 : 「いいえ。貴方がどうするのかは、貴方が決めればいい。無理強いをするつもりはありません」

和山 深雪 : 目を伏せて部屋から出ます。

 

KP : どこに行きますか?

和山 深雪 : 物置に行きます。

KP : あなたは物置にやってくる。
KP : あなたが探せば、マッチが見つかる。

和山 深雪 : 灯油とマッチを持ち出します。

KP : では、どこに行きますか?

和山 深雪 : 居間に戻ります。

 

KP : 貴方が再び居間に向かえば、変わらず彼はそこにいる。

和山 深雪 : 「楽しかったよ」

暁己 游宕 : 「……この家を出ていくのですか」

和山 深雪 : 「....あまり人と一緒にいることがなかったから、楽しかったよ。でも」
和山 深雪 : 「僕の自由はここにはないな」

和山 深雪 : 「同時に君を自由にしてあげたいとも思う」

 

 

KP :

貴方は、この家を燃やすことを決意する。貴方のために、貴方自身が選んだことだ。
玄関先で、物置から持ってきた灯油缶を持ち上げる。冬の間中この家をあたためるのには到底足りないが、この家を燃やすには十分であろう量の液体はずっしりと重たい。

 

KP :
彼が立っていた。

 

 

暁己 游宕 : 「なにを、しているんです」

KP : ひどく冷えた、鋭い声が貴方の鼓膜にはっきりと届いた。それはあまりにも凪いでいた。凪ぎすぎている。いっさいの感情を脱ぎ捨てると、きっとそんな声になるのだろう。
彼はまっすぐに貴方を見つめる。瞳は死人のそれのように、灰に濁っていた。

暁己 游宕 : 「……この家をおかすことは、看過できません。それだけは、ならない」

暁己 游宕 : 「貴方は、この家の真実を知ったなら、素直に逃げ出すか、あるいはさっさとやわらかな狂気へとおちるべきだった。そうしていれば、青髭の最後の妻になれたかもしれないのに」

暁己 游宕 : 「やめては、くれませんか」

暁己 游宕 : 「出たいのであれば、尊重します。鳥のように、飛び立ちたいと願う自由もあれば、巣ごもって、誰からも邪魔されまいと願う自由もある。貴方の飛び立ちたいという自由を制限しない代わりに、どうか、巣篭りたい自由を、わかってはくれませんか」

和山 深雪 : 「自分ではもう止められない、そうだろう」

KP : シークレットダイス(心理学)
KP : あなたは、彼の手記の内容こそが、彼の本心なのだと思います。

和山 深雪 : 「僕は向き合うことも、目を逸らすことも選べるんだ」
和山 深雪 : 「一緒に過ごせて本当に楽しかったよ。」

暁己 游宕 : 「……貴方の行為を、残念に思います。そうして、私のまちがいにも。貴方と私はとてもよく似ていると思ったけれど、そうではなかった。気付けなかった、こちらのミスだ」

暁己 游宕 : 「自分の不始末には、自分で対処しなければなりませんね」

 

☆特殊戦闘処理

和山 深雪 : 1d100 (1D100) > 76

和山 深雪 : CCB<=40 【回避】 (1D100<=30) > 40 > 失敗

KP : STR、CON、POW、DEX、APPのうちからひとつ、1ポイント分永久に喪失する。

和山 深雪 : 1d100 (1D100) > 15

和山 深雪 : 1d100 (1D100) > 88

和山 深雪 : CCB<=40 【回避】 (1D100<=30) > 10 > 成功

和山 深雪 : 1d100 (1D100) > 85

和山 深雪 : CCB<=40 【回避】 (1D100<=30) > 23 > 成功

和山 深雪 : 1d100 (1D100) > 33

和山 深雪 : 1d100 (1D100) > 96

system : [ 和山 深雪 ] CT : 1 → 0

和山 深雪 : 1d100 (1D100) > 34

 

KP : 貴方が落とした火種は、簡単に家を焦がした。貴方の指先でつかめるだけのそれは、広がる灯油に触れた瞬間、みるみるうちに大きくなったのだった。

あかあかとした火は揺らめき、酸素を得てはごうごうと強大になっていく。人間が原始的な本能から恐れるのも無理はないと、そう実感する。

熱は増し、肌をじりじりと舐める。蛇の舌のような炎が視界一杯になり、家全体を丸呑もうと蠢いていた。

KP : これより探索者は家から脱出するための火災ロールを行うことになる。

 

☆火災ロール ※処理ミスがたくさんあり、反省しております。すみませんでした……※

1.まず探索者はAPPを1点減少させる。
(2.玄関先で火をつけたため本卓では省略。)
3.玄関口には宇宙からの色が立ちふさがっている。まずは、半透明な宇宙からの色を目撃したことによりSANc0/1d4の処理。STR7との対抗となる。ここで宇宙からの色のPOWが24を上回っていた場合、STRに1d6追加すること。
4.STR対抗に成功で1d2+1、失敗で1d4+1のダメージを入れる。

※この際KPCは家に残ろうとする(宇宙からの色からの影響が強く、逃げることができない)ため連れ出したい場合は、探索者のSTRとSIZとの合算対抗となる。各処理の頭に1d100を振らせること。成功値は50%。
この際、交渉技能(本卓では心理学でも可とした)を振ることで10%、交渉技能と心理学の両成功で20%の補正が入る。
また、一緒に逃げる場合はKPCにも同じく火災ロールを適用すること。

 

KP : 和山 深雪さんはAPPを1点減少させてください。
KP : 続いてSAN値チェックをお願いします。

和山 深雪 : CCB<=55 【SAN値チェック】 (1D100<=55) > 88 > 失敗
和山 深雪 : 1d4 (1D4) > 3

暁己 游宕 : sCCB<=4 【SAN値チェック】 (1D100<=4) > 31 > 失敗
暁己 游宕 : s1d4 (1D4) > 1

KP : RESB(7-4) (1d100<=65) > 7 > スペシャ

和山 深雪 : 1d2+1 (1D2+1) > 1[1]+1 > 2

 

和山 深雪 : 「游宕」

暁己 游宕 : 「家……家が…………っ」

 

和山 深雪 : CCB<=85 【心理学】 (1D100<=85) > 71 > 成功

KP : RESB(15-15) (1d100<=60) > 82 > 失敗 ※+10%補正※

暁己 游宕 : RESB(4-7) (1d100<=35) > 80 > 失敗
暁己 游宕 : 1d4+1 (1D4+1) > 3[3]+1 > 4

 

KP : RESB(4-7) (1d100<=35) > 8 > スペシャ

和山 深雪 : 1d2+1 (1D2+1) > 1[1]+1 > 2

暁己 游宕 : RESB(15-15) (1d100<=60) > 61 > 失敗 ※+10%補正※

 

KP : RESB(4-7) (1d100<=35) > 71 > 失敗

和山 深雪 : 1d4+1 (1D4+1) > 4[4]+1 > 5

KP : RESB(4-7) (1d100<=35) > 30 > 成功

暁己 游宕 : 1d2+1 (1D2+1) > 2[2]+1 > 3

KP : RESB(15-15) (1d100<=60) > 50 > 成功 ※+10%補正※

KP : RESB(4-7) (1d100<=35) > 2 > 決定的成功/スペシャ

暁己 游宕 : クリティカルのため、ダメージ1固定で処理します。

 

 

 

KP : あなたたちは、ほうほうのていで家から逃げ出す。

外から眺める家は、目を焼き尽くさんばかりのあかるい炎に、その身の丸ごとを包まれていた。それは捕食中の蛇の腹をひらいた光景にも、火葬炉のなかを切り出した光景のようにも思える。

あたりにちょうど木がなかったため、山への引火はなさそうであるのが不幸中の幸いか。軽く振っていた雨も、それに一役買っていたかもしれないが。
焔の赤は曇天の下でよく映えた。ぱちぱちと木のはぜる音が耳元で鳴る鼓動と混ざって、いやにうるさい。

 

KP : ふと思い至り彼の方に視線をやれば、呆然と燃え盛る家を見つめていた。見開かれた目は生理的な、あるいは感情に起因する涙でてらてらとぬめ光っている。濡れた産毛が頬をふちどるさまが炎に透かされることでよりいっそう鮮明に見えた。

暁己 游宕【SANc1/1d8】

 

暁己 游宕 : sCCB<=3 【SAN値チェック】 (1D100<=3) > 100 > 致命的失敗
暁己 游宕 : 1d8 (1D8) > 3

 

 

KP :
彼はふと笑い出す。

 

 

暁己 游宕 : 「は、はは、ははは……!」

 

KP : やたらに明るい声は明らかにこの場に、そして彼が抱くであろう感情にそぐわなかった。確かに笑顔を浮かべているのに、彼の表情はどこか絶息する寸前の人間のそれに似ていた。

 

暁己 游宕 : 「大丈夫、大丈夫、もう……! ずっと、ずっと行きたかったんだそっちに……!」

 

KP : 彼はそう叫ぶと、真っ赤な炎の中へと飛び込んだ。
そうして、そのまま。そのままであった。炎の勢いはとどまることを知らず、むしろ新たな薪を得たことでより一層苛烈になった。

 

 

 

 

KP :

貴方はその山を下りることとなる。
背後にした家の炎はやや落ち着き、合間合間からその真っ黒な骨組みを晒していた。火葬された家屋の、その骨のようにも思えたかもしれない。
とにかく、貴方はその山を後にする。もつれる足で、火傷に痛む体を引きずって。

気が付くと、例の山の麓にいた。
ひとかかえもありそうな灰白色の月がちょうど正面の空に浮かんでいる。貴方がそれを認識した瞬間、その月はみるみる大きくなっていった。


目を醒ますと、貴方の眼前には未だ月があった。
幾度か瞬きをして、気が付く。それは天井だ。それも、清潔な病院の。
すれば、徐々に記憶は戻り、これまでの経緯がゆっくりと貴方のなかをめぐっていった。

 

貴方はいくばくかの間、入院を余儀なくされたが、そののち無事に帰ることができる。
結局、ニュース等でもS山での火事が報道されることはなかった。

あの生活における夢も、絶望も、恥も、外聞も、そういったものはみな、あの灰に埋もれて消えた。

 

貴方が知るのはあの日、あの場所で、一切合切のすべてが灰になったこと。それだけである。

 

 

 

KP :

END6 みんなになってよかった
   探索者生還、KPCロスト